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秋の味覚、栗!!栗の品種とモンブラン

ようやく暑い夏が終わって、涼しい日が多くなってくるこの季節、なんとなく秋の空気にふと寂しさを感じてしまうことはありませんか?そんな秋の始まりにピッタリな、視覚と味覚でちょっとだけ幸せな気持ちになれる、スイーツ『モンブラン』と『栗』について掘り下げてみました

日本の栗の主な産地・品種

🌰産地🌰

茨城県…古くから栗の栽培が盛んで、300年以上の歴史があります。収穫量も日本で一番となっています 

熊本県…茨城に次ぐ全国2位の生産量を誇っていて、栽培されている様々な品種の栗は、加工業務向けとしても多く出荷されています。

岐阜県…栗自体の質がとても高く、その甘さとしっとり感が特徴の、栗の風味を最大限に引き出すお菓子作りが盛んで、特に中津川市の栗きんとんは有名です。

愛媛県…愛媛県の伊予栗は早生(わせ)品種が多く、収穫時期が早いのが特徴です。また、伊予市中山町で栽培されている中山栗は、江戸時代に三代将軍家光に献上したとされていて、近年では生産者の減少によって、県外に出回ることが少なく、幻の栗とも言われています。

🌰品種🌰

筑波栗香りも良くて甘みも強く、繊維質が少なく滑らかな食感です。安定して沢山採れることから、日本の広い地域で栽培されています。

丹沢栗収穫時期の早い早生種で、裂果と呼ばれる縦の筋が多いという特徴があります。優しい香りと甘さであっさりしていて、加熱するとホクホクした食感になります。

銀寄形は少し平たく、表面にツヤがあるのが特徴で、程よい上品な甘さとホクホク感が、和栗の中でも正統派と呼ばれる品種です。

ぽろたん…2000年代初めのころに誕生した、ユニークな名前が特徴の栗ですが、その由来は、切込みを入れて加熱するだけで、簡単に皮がポロリと剥けるからだとされています。美味しいけど皮が剥き辛いと言われていた栗の画期的な品種改良だったのではないでしょうか

   

世界の栗の主な産地

イタリア

イタリアはヨーロッパでの栗生産の中心地の一つで、特に「マローネ」と呼ばれる大粒で高品質な栗が有名です。この品種は甘さが豊かで、特に栗菓子やマロンペーストなどに利用されています。皮が剥きやすく、スイーツ向きです。

フランス

フランスのアルデシュ地方が栗の生産として有名です。16世紀頃からリヨンで栗の砂糖漬けが始まったとされていて「マロン・グラッセ(甘栗の砂糖漬け)」で使われる栗として知られています。果肉がクリーミーで、甘みが強く、デザート作りに適しています。

スペイン

スペイン北西部のガリシア地方は栗の大産地で、カスターニャと呼ばれる大粒で甘みが強い栗が栽培されています。ガリシア栗は特に焼き栗に向いていて、風味がとても濃厚です。

中国

中国は世界最大の栗の生産国で、特に河北省承徳市の栗が有名です。粒が小さめですが、甘みが強く、香ばしい風味が特徴で、焼き栗や炒め栗に向いています。

韓国

韓国の栗は比較的小ぶりですが、甘みと香りが豊かです。丹陽栗(タンヤン栗)はその代表例で、しっとりとした食感と甘みが特徴になっていて、炒め栗や煮栗に使われることが多いです。

モンブランの名前の由来

モンブランという名前は、フランス語で「白い山」を意味します。フランスとイタリアの国境にあるアルプス山脈の最高峰「モンブラン山(MontBlanc)」に由来していて、標高4,808メートルの山が雪に覆われた姿が、栗クリームをたっぷりと使ったデザートの見た目と重なることから名付けられました。

モンブランはいつどのように日本に来たのか?

日本に伝わった時期や経路については諸説あって、次期は1930年代後半〜1940年代初頭ではないかと言われています。

自由が丘の”モンブラン”創業者の迫田千万億氏が、名峰モンブランの美しさに感銘を受けて帰国後、当時ヨーロッパで皿盛りデザートとして提供されていたモンブランをアレンジし、日本で初めてモンブランとう名前のケーキを提供したという説や、銀座に開店した”コロンバン”の創業者である門倉國輝氏がフランスで修業した際に習得し、日本に持ち帰り提供したという説があります。

モンブランは、その見た目の美しさと栗の深い味わいで、世界中で愛されるスイーツとなっています。日本では、和栗を使用した独自のアレンジや進化を遂げていますが、近年では、「賞味期限30秒!!」などと謳って、絞りたてのモンブランを提供するお店が増えてきたり、秋を代表する人気のスイーツの一つとなっています。

モンブランにまつわる逸話

歴史や文化にどんな影響をあたえてきたのかを示す、モンブランにまつわる逸話をいくつかご紹介します。

ナポレオン3世とモンブラン

フランスのナポレオン3世が、モンブランを初めて食べた際のエピソードがあります。彼はその美味しさに感動し、「これは本物の山だ!」と叫んだと言われています。この逸話は、モンブランの名前の由来を裏付ける一つのストーリーとなっています。

日本での”誤解”から生まれた進化

日本にモンブランが伝わった当初、一部のパティシエが”モンブラン”を”モンブラン山”ではなく”栗の山”と誤解したという話があります。この”誤解”が、日本独自のモンブラン(より栗を強調したデザイン)の発展につながったという説があります。

世界一高価なモンブラン

2009年、フランスのパティスリー「La Maison du Chocolat」が、世界一高価なモンブランを発表しました。このモンブランには、希少な栗や金箔が使用され、1個約10万円という驚異的な価格だったそうです。

アンジェリーナのモンブランとココ・シャネル

パリのカフェ・アンジェリーナは、1903年にオープンした老舗で、特にモンブランが看板メニューとして知られています。その名声が広まるきっかけの一つに、日本でも馴染み深い伝説的なファッションデザイナー、ココ・シャネルが深く関わっていると言われています。ココ・シャネルはアンジェリーナの常連客であり、特にモンブランとホットチョコレートを愛したという逸話があります。彼女はパリの社交界でも非常に影響力のある人物だったため、シャネルが好むこのデザートは瞬く間に評判となり、パリ中のセレブリティやファッショニスタの間で大流行したといわれています。